普段着着物の着方は意外に簡単!
洋服の文化が入ってくるまで、日本人全員が毎日着ていた着物。コツさえわかれば、着物の着方は難しくありません。日常の生活着としての着物の情報をご紹介します。
普段着着物の着方に関してのお悩み事がありましたら、まずは検索してみてください。お悩み事が解決するかもしれません。
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27歳…この頃、私たち一家は千葉県から富山県に引っ越しをしました。
主人が千葉県でパン屋に転職してからの目標だった「自分の店」を持つための引っ越しでした。
金銭的にはぎりぎりの引っ越し。
まずは大切な息子のお気に入りのおもちゃや洋服を荷造りし、主人のもの、台所用品。
引っ越しを安く済ませるために無理やり小さいトラックのサイズに…すべての荷物が載らなかったので、私の物を捨てる決断をしました。
その時に捨てたものは、ほとんどが独身の時に買ったもの。
結構いいものがあって、捨てたら二度と買えないだろうな…と泣く泣く諦めた、そんな辛い引っ越しでした。
富山に引っ越したのは、主人のおばあちゃんの家が空き家だったから。
パン屋を出すなら、私の生まれ育った石川県に戻りたい。
でもお金がないし、とりあえず家賃のかからないおばあちゃんの家がある富山県に住んで、力を付けてから石川県でパン屋さんを出そう!
そんな前向きな理由があったからでした。
7月に千葉を出て、8月いっぱいは主人の実家に身を寄せました。
おばあちゃんの家は、築100年以上の古い家で、住むためにはかなりの手直しが必要でした。
改装工事が終わるまで荷物を引っ越し屋さんに預かってもらって、その間、毎日掃除に明け暮れました。
普通に暮らせるようになったのは9月中頃。
開店資金を貯めるための新しい仕事、息子は慣れない保育所、古い家での家事の違い。
いろんなことに戸惑いながら、あっという間に冬になりました。
初めての冬…全く服がない!!
全部捨ててしまってる…
気づいた時、かなり焦りました。
贅沢なことかもしれませんが、洋裁学校で服を学んでいた私にはワゴンセールで売り出されている流行りの終わった服を買うことができませんでした。
もちろん、流行りの服は高くて買えません。
本格的な冬が近づき、耐えられない寒さ。
そんな時、母がお正月、着物姿に割烹着を着て早朝からストーブをつけずに台所に立っていたことを思い出したんです。
「なんでストーブをつけてないの?寒くないの?」
「灯油入れるの、大変だからね。着物着とるからあったかいの。中にいっぱい着とるし大丈夫。」
そんな会話がふっと頭をよぎりました。
そうだ!着物を着よう!
流行っていない服を買うより、大好きな着物を着よう!
家の中だけなら、毛布を巻いて台所に立つより、着物だったらどんな着物でも洋服よりいいやん!
そう思い立ちました。
それから着物を探して着付けの方法は…浴衣の着付けの本!
その本を食い入るように読み、ひたすら貝の口を練習しました。
パジャマ姿でもひたすら練習して。
そして唯一新調した割烹着を着て、隙間風が入ってくる寒い台所で、震えずに料理を作ることが出来るようになりました。
家に帰って着物に着替えることは、私には十分な楽しみになりました。
でもどんどん着慣れてくるうちに、外に出たくなったり、憧れのばあちゃんの着物姿を追い求めるようになっていきました。
普段着で着物を着るならどんな素材があるだろう?
柄の入った半衿は売っていないのかな?
いろんなことが気になりだし、私は本屋さんで着物の本を立ち読みするようになりました。
そんな時に出会ったのが、きくちいまさんの本でした。
ふだん着物…着物を普段着で着たいのよ!この本だ!!
ひとりぼっちの着物生活のスタートの肩を、ポンと優しく押してもらったのです。
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