普段着着物の着方は意外に簡単!
洋服の文化が入ってくるまで、日本人全員が毎日着ていた着物。コツさえわかれば、着物の着方は難しくありません。日常の生活着としての着物の情報をご紹介します。
普段着着物の着方に関してのお悩み事がありましたら、まずは検索してみてください。お悩み事が解決するかもしれません。
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はじめまして!
私は石川県能美市でパン屋さんを営んでいるきよみといいます。
パン屋さんの名前は「食パンのtonton」
こちらの店頭では、接客係が着物姿。
ちょっと変わったお店です。
幼い頃から着物が大好きで、生まれも育ちも金沢という土地柄。昭和50年代でも着物文化が残った街でした。
授業参観の日、母はよく着物で見に来てくれたことを覚えています。
「毎回同じ着物だけど、授業参観に来てくれるような素敵な服は買えないから」
薄い緑色の色無地を来てくれる母の姿は、クラス中のお母さんの中で1番きれいでかわいくて・・・自分で着付けをして、自然な着物姿で来てくれる母が私の自慢でした。
夏休みは母方の実家の奥能登に帰るのが楽しみ。おいしい野菜や新鮮な果物、お米はふっくら。
おばあちゃんが大切に育ててくれた食べ物で、お腹いっぱいごちそうしてくれました。
畑仕事や田んぼ、山仕事にと、働き者で明るいおばちゃんは、いつもモンペ姿。でもそれが、なんともかわいらしく、きれいに見えました。
そんなおばあちゃんが初めて金沢に遊びに来てくれた日。
「洋服はモンペしかないから」とウールの着物に半幅帯姿で遊びにきてくれたのです。
小さかった私には衝撃でした。
今まで、母が授業参観で着ていた「白の半襟・正絹の着物」しか知らなかったのに、私の目の前には着物で生活していた時代の着物姿が現れたのです。
初めて見た「ウールの着物」「半幅帯」「帯締め」「帯留め」に夢中になりました。
私もこんな着物を着たい。
特別なものではない、日常の身だしなみの着物。
普段から着ることができる、おしゃれな着物姿に想いを寄せるようになったのです。
おしゃれなおばあちゃんと記念撮影。
時は経ち、20歳で結婚。主人の転勤で各地を回り、27歳の頃、私は富山県に住んでいました。
義母方の祖母の家が空き家になっていたので、そこに住まわせていただきましたが…
祖母の家は築100年。
玄関扉は歪んでいて、完全に閉まらず、壁と柱の間には隙間があり外が見える有様。温度差じんま疹が出る私には耐え難い、寒い家でした。
台所に立ちたくても、腰に毛布をまかないと立っていられない寒さ。
「20代なのに終わっているな…」
ふとガラスに映る自分の姿を見て思いました。
いくらお金がないからって、いくら寒いからって、この姿は何なんだ…と思うほど、ひどい格好をしていたんです。
「お金をかけるのがおしゃれじゃないのよ」
母はよく言っていました。
「着物は下に何を着ていても見えないから、寒い時は着物が1番よ」
昔、母から聞いた何気ない言葉に寄せられるように、タンスの奥から着物出しました。
初めはまったく上手に着られませんでした。いつも母に手伝ってもらっていたので、1人で着付けはできなかったのです。
家にあった浴衣の着付け本を見て、家にあったポリエステルの着物を着てみました。
問題は帯です。
もう一度浴衣の本をじっくり見てみると、おばあちゃんと同じ半幅帯の締め方(貝の口)が載っているじゃありませんか!
さっそく浴衣の帯で憧れの貝の口を締めてみました。
ああでもない、こうでもない、と何度も何度もやり直して、やっと結べたのを覚えています。
全く自信のない着物姿でしたが、とにかくあったかい。
「下手でも何でも、毛布を巻いているよりマシだもん」と言い聞かせて、こっそり家の中だけで始めた着物生活でした。
周りの反応は・・・
主人は「いいねっ」って言ってくれて、お膝に抱っこが大好きだった息子は「いつも着物がいい」って。
そんな心の広い主人と息子に気に入ってもらえて、私のふだん着物生活が始まりました。
着物を着始めたころ
10月ごろから3月ごろまで。私のふだん着物の生活は期間限定でした。
寒さ対策のための着物生活。ただそれだけ。
エプロンも割烹着でしたし夏の事は考えていませんでした。
ちゃんと着物が着れるようになって、外出の時も着物のままで出かけるようになりました。
500円のリサイクル着物や5枚1,000円のモスリンの長襦袢、いつ買ってもらったかわからない浴衣用の綿生地の半幅帯。
そんな着物生活でしたが、お金を使わなくても十分おしゃれを楽しめて、私の20代後半は女性としての楽しみを増やすことができた幸福な時となりました。
ギリギリの生活の中で貯めたお金で、念願のパン屋さんを開けたのは31歳の頃でした。
スーパーさんの中のパン屋さん。スーパーの中ということは・・・年中無休。元旦だけが唯一のお休みでした。
休みのない日々が続き、毎日がパンを作ることで精一杯。
着物を着るのは元旦だけになってしまいました。
オープンして5年目の頃やっと私も休みが取れるようになりリニューアルする話が出ました。
お客様が日常の買い物するスーパーの中のパン屋だからこそ、お客様がほっとできる空間を作りたい。
そんな思いからお店は和風のお店にリニューアルすることになりました。
その時、接客係のユニフォームをどうするかで店舗デザイナーさんと話をしている時、私の着物姿を見て、デザイナーさんが「着物で出ちゃいなよっ!」と言ってくれたのです。
「田舎のお母さんみたいな着物だし、いいと思うよ。」
そんな一言から、パン屋なのに着物になったんです。
お客様はとても喜んでくださいました。
「家にある着物今度持ってきていい?もう着ないし、パン屋さんに来てもらえたら嬉しいわぁ」と何度も着物をいただきました。
お店にある石川県能美市は加賀温泉からも近く金沢市からも近いので、着物がまだそんなに遠い存在ではないのです。
パン屋さんの接客係は着物
パン屋で着物生活が始まって、私の着物生活は春夏秋冬に変わりました。寒さ対策から暑さ対策にシフトチェンジです。
割烹着は暑いので、前掛けとタスキ紐を作ったり。
足が汗ばむのでステテコを履いたり。
下駄しか持っていなかったので長時間立ち仕事をしても疲れにくいウレタンの草履にしたり。
真冬は地下足袋にしたり。
心地良さを求めて、1年1年工夫を重ねて、今に至ります。
そんな私の着物生活の知恵や工夫が、これから着物を普段着にしたいと思ってらっしゃる方のお役に立てればと思い、このホームページを立ち上げました。
主人の全面協力のもとYouTubeでの発信もしています。
着物でわからないや疑問点などありましたら、お気軽にコメントくださいね。
きよみ
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