羽織の歴史

羽織の歴史

羽織のルーツは男性が塵除けのために着ていた胴服だとされています。

江戸時代になっても基本的には男性の衣服だったそうです。

羽織を女性が着始めたのは、江戸後期。男装に男名前で意気を競った深川芸者だったそうです。

今も昔も格好いい女性に憧れるんですね。


その後、一般にも広まりますが、江戸時代は女性の羽織を幕府に度々禁止されていました。

今と違って、服装の自由はなかったんですね。


明治になると女性でも自由に羽織を着られるようになり、おしゃれや防寒用として流行ることとなります。

羽織にも格の上下はありますが、女性の場合は羽織自体正式な礼装ではないとされています。

丈の長さには決まりがなく、流行や思想によって長くなったり短くなったりしています。


知られていることですが、昭和初期ぐらいまで羽織の丈は長いものが流行、戦争が激しくなるに連れ、動きやすさや女性にも男性のたくましさを求められる思想になり、羽織の丈は短くなっていきます。

その後も、戦争が終わり女性も外に出て働く事が許され、求められるようになり、戦後の昭和の間は戦中に引き続き丈の短いものが主流となります。

平成に入り、着物をアンティークとして好む女の子たちの間で長羽織がにわかに流行し、今は本当に自由な丈を自分の好みで選べる時代になったと思います。


羽織の歴史

江戸後期より勝ち気な女性が男性と肩を並べたくて身につけた羽織は、明治以降、女らしさの象徴として流行し、戦争がきっかけで女性は再び男性に勝ち気な姿を求められました。

戦後、羽織の丈を短くすることで男性と肩を並べようとし、今は男らしさや女らしさの思想から自由になり、羽織は個人の好みに任せてもらえるようになりました。

自由に選べるって素敵なことですね。